鍼灸師えみすけのブログ

住吉区のママ鍼灸師 えみすけのブログ

大阪市住吉区で鍼灸治療をしている、鍼灸師えみすけ(長崎絵美)のブログです。

産後うつの予防法と対策は?鍼灸治療が産後の「抑うつ感」を下げる!

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長い妊娠期間を終え、やっと出産したそのあとに、なんだか気持ちが安定しない・・

これってもしかして産後うつ?と悩む女性は少なくありません。

 

わたしが産後うつになるなんて、まさかね・・と思っている人もいるかもしれませんが

産後の状態は、出産してみないと誰にもわかりません。

出産後はホルモンバランスの大きな変化により、肉体的にも精神的にもかなりの負担がかかるため、健康だと思っていた人にも何らかの変化は訪れて当然なのです。

 

 

先日参加してきた第67回 全日本鍼灸学会学術大会で、

「出産前に鍼灸治療を受けていた不妊症患者の抑うつ症状が、産後に低下した」

という発表があったので、ご紹介します。

 

 

産後うつってどんな症状?

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毎日が楽しいと思えない、赤ちゃんをかわいいと思えない、やる気がおきない、

不安感が強い、睡眠をあまりとれない(眠くならない)、少しのことで涙が出る、

自分を母親失格だと思う・・などの精神的症状で、

特に、それまでにもうつ病などの既往があった方は注意が必要とされています。

 

ちなみにこの産後うつ、男性でも陥る可能性があります。

 

片方が産後うつになると、夫婦間でのコミュニケーションが困難となり、

そうなると育児にも支障をきたすかもしれません。

 

明生鍼灸院の論文発表

愛知県にある明生鍼灸院の発表です。

明生鍼灸院に通院されていた不妊患者74名を対象として、

産後のEPDS(エジンバラ産後うつ病自己調査票)得点について調査しました。

 

74名は、いずれも妊娠を希望して鍼灸治療を受けていた方々です。

初診時のEPDS得点と、出産後の得点を比較しました。

 

日本語版のEPDS質問項目はこんなかんじ↓

得点が高いほど、「抑うつ」「不安」「快感喪失」などの感情が高くなります。

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EPDS得点が8点以下の者を低得点群(L群)、9点以上の者を高得点群(H群)とし、

初診時に低く、産後も低かった群をLL群

初診時に低く、産後に高かった群をLH

初診時に高く、産後に低かった群をHL群

初診時に高く、産後も高かった群をHH群としています。

 

人数のうちわけは以下の表のとおり。

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この結果をまとめると、


EPDS得点が8点(低得点群の中でもいちばん高い得点)の人は

LL群よりもLH群が有意に高かったということ。

つまり、出産前であっても初診時にEPDSが8点の患者は産後にEPDSが高得点になりやすい傾向にあるといえます。

 

また、もう一つ読み取れることは

 

初診時に高得点であったH群23名のうち、73.9%は産後に得点が低くなったこと。

つまり、鍼灸を受けることで産後にEPDSが低くなる可能性があるといえるのです。

 

当院ではこのEPDSは実施していませんが、

もし産後うつのことが不安な方がいらっしゃったら、個別に調査してみてもいいかもしれません。

妊娠中の不安なこと、産後の不安なこと、できる限り丁寧にヒアリングしていきたいなと改めて感じました。

 

 

産後うつの対策と予防法

産後うつになった方の方々の特徴を見ていると、いくつかの類似点があります。

それは、もともと「真面目な性格である」ということ。

 

特に、物事をきっちりやらないと気が済まない、上手に手が抜けない、

どちらかというと要領が悪い方も当てはまるかもしれません。

 

こういった性格は、なかなか変わるものではありません。

まして、大切な赤ちゃんが生まれたあとは、より一層きちんとしないと・・!と

自分を鼓舞する傾向にあります。

 

うつは、がんばりすぎることで発症するもの。

体調や心がついていかないまま、動きすぎた結果なのかもしれません。

 

そこで、産後うつの予防法としてわたしが考えるのは

「パートナーとしっかり産後のイメージを話し合っておくこと」

これに尽きると思います。

 

なんでもひとりでやろうとしない

出産前と同じレベルの家事を期待しない

赤ちゃんは生きてればとりあえずOK

毎日、気持ちや体調のフィードバックを欠かさない

 

こういった事柄を、夫婦で話し合っておくことが大切なんだと思います。

 

もしパートナーががんばりすぎているようだったら

片方が手綱をゆるめてあげてください。

人の性格を変えようとするのではなく、自分が、そんな相手をフォローできるように。

 

 

周りからの支援が期待できない場合は

ファミリーサポートなどの行政サービスをうまく利用するのがいいですね。

とにかく産後は誰かに頼ってください。

 

特に女性は、母親だから・・という義務感で、がんばらなくていいんです。

女性は出産という大仕事を終えて、もう充分すぎるぐらいに頑張ったのだから。

こどもはみんなで育てるもの。

決して夫婦ふたりで面倒をみないといけないわけではありません。

 

 

そして、少しだけ外に出られそうな余裕があったら

論文にもあるように、ぜひ鍼灸を受けてみてください。

 

身体の痛みや、自律神経の乱れなどの不調に効果的なのはもちろんですが

産後の状態を誰かにゆっくり聞いてもらう、というだけでとても心が落ち着きます。

 

 

うちだと、赤ちゃん連れでも大丈夫なのでご安心を^^

 

 

産後の不安を感じている女性の悩みが少しでもなくなることを願っています。