今日は「陰虚」について書いていきます。
陰虚=身体の水分が減少し、中途半端な熱が出ている状態
今回の陰虚(いんきょ)とは、
この血虚がもう少し悪化してしまった人の体質のことです。
血は、身体の栄養であると書きました。
そして血は、液体なんです。
この血が少なくなると・・栄養不足になる。
そして同時に、水分不足にもなるのですね。
つまり陰虚の人は、乾燥しています。
ここまではなんとなくわかりますでしょうか

じゃあ「陰」ってなによ???
て話になるのですが、ちょっとこちらの図をご覧ください。
陰ってなに? ちょっと難しい、陰と陽のおはなし
どこかで見たことがあるかもしれません。
これは陰陽の関係を表した図です。
黒いのが陰、白いのが陽です。
東洋医学では、物事すべてを陰と陽の2つに分けて考えます。
そして陰陽には5つの性質があって
・陰と陽は対立したものである
・陰と陽はもともと同じものである
・陰と陽、どちらかが増えるとどちらかが減る
・陰が極まると陽に変わる(逆も同じ)
・陰の中に陽の性質を含んでいる(逆も同じ)
と、なっています。
だんだんわけがわからなくなってきましたね
笑

この中で、特に関係の深い性質が
陰と陽、どちらかが増えるとどちらかが減る
これです。
身体の中の成分は、陰と陽に分けられます。
たとえば、気は陽
血と津液は陰です。
めちゃざっくりなんですが、イメージとしては
陽=あたためるもの
陰=冷やすもの
と考えてください。
血は陰に属していて、身体を冷やします。
その血が少なくなると・・身体が乾燥するんでしたね。
さらに、身体を冷やす成分が少なくなるので、
身体がだんだん熱っぽいほうに傾いてきます

ただここで注意しないといけないのは
同じ熱でも、「実熱」「虚熱」という違いがあって
それぞれ治療法が異なるのです。
実熱とは、陰は正常なのに陽が多すぎる状態。
こういうときは、余った陽を減らすことで、
熱をさましてあげる治療が有効です。
虚熱とは、陽は正常なのに陰が不足している状態。
こういうときは、足りない陰を補うことで、
熱をさましてあげる治療が有効です。
今回のお話の「陰虚」では、
血=陰が少なくなる(虚する)ことによって
身体が熱のほうに傾き、
その結果、乾燥してしまうということが起こっています。
うーんむずかしい。
陰虚になるとどうなる?
陰虚がどこの臓腑で起こっているかによって
症状はさまざまです。
【心陰虚】
動悸、胸が苦しい、夜ぐっすり眠れない、夢をよく見る
めまい、物忘れが多い、不安な気持ちになる
ほっぺただけが赤い、寝汗をびっしょりかく、顔がほてる
【肺陰虚】
かわいた咳が続く、声が枯れる、口やのどが乾燥する
夕方になると微熱がでる、ほっぺただけが赤い
皮膚がカサカサである
【脾陰虚】
口や唇が乾燥する、食べるとお腹が張ってくる、
痩せていて、食べてもあんまり太ることができない
手足がほてる、便秘になる
【胃陰虚】
みぞおちが痛む、おなかはすいているのに食べたくない
吐かないが、えづくことがある
【肝陰虚】
目が乾く、ドライアイ、顔がほてる、夕方に発熱する
【腎陰虚】
ほっぺただけ赤い、のぼせ、ほてり、午後の微熱
おしっこの量が少なく、色が濃い
めまい、ふらふらする、耳鳴り
男性:勃起しやすい、夢精、早漏
陰虚を悪化させないためには・・
血虚とおなじように
血(栄養)を補う必要があります。
また、身体が水分不足に陥っているので
しっかりと水分補給をすることが大切。
でも身体を冷やしすぎないように注意です。
そして、身体が熱性に傾くような行動はなるべく避けます。




こんなかんじです

余談ですが、陰虚の方はお顔の悩みとして
シミ、くすみ、目の下のクマ、乾燥肌
などがでやすいです

もし当てはまるな~と思われましたら、
はやめに鍼灸治療をうけてみてくださいね
